脳に侵入して宿主を操る寄生虫「トキソプラズマ」を逆に利用して脳に薬を届ける技術が登場
昔雇われていたところの患者さんで
レット症候群の子供が結構来ていまして
結論から言うと、治療法はなく
遺伝性の神経発達障害です。
親御さんからすると藁にもすがる思いで
来院されていたのだと思います。
良くなったかと言われますと、正直な話「効果はあったような、なかったような、よくわからない」としかいいようがありませんでした。
多少歩き方が変わったかなー
少し言葉が通じたのかなー
というのは、親御さんがおしゃっていたので
それは良かったと思いました。
さて、今回取り上げていたのは
『トキソプラズマ』いわゆる猫にいる寄生虫です
以前読んだ本に面白いことが書いてあり
トキソプラズマに感染すると
鼠であろうと、猫が好きになるというのです。
なかなか面白く、最近ではトキソプラズマに感染している人は魅力的な人が多いとか、なんとか
昔好きになった子は、猫飼っていた人多かったのかも
なんて思ったりもしました。
それはさておき
今回はそのトキソプラズマが、実は血液脳関門という脳の中にある関所を突破しているので、
それを逆手に取れば、今まで脳疾患にて薬を送れなかった場所に
薬をトキソプラズマに乗せて吸収すれば
脳の疾患の治療ができる
という、画期的な方法なのです。
その中の一つとして、レット症候群が含まれ
レット症候群という神経発達障害の治療に用いられる「MeCP2」というタンパク質を融合させました。 そして、改造されたトキソプラズマを脳オルガノイドに感染させたところ、トキソプラズマが脳細胞の中で有用なタンパク質を放出したことが確かめられました。
という結果が出たそうです。
素晴らしい技術だとおもいますが
やはりリスクもあるということで
トキソプラズマ脳炎を起こすかもしれないということで
今後の研究に期待ですね
ありがとうございました。